言葉の意味を知っていますか?コアスタビリティーについて説明します

リハビリテーション技術

コアスタビリティーについてわかりやすく解説します

はじめに

こんにちは。

フィジ男子です。

今回は「コアスタビリティー」についてです。

よく聞く言葉ですが、かなり広い意味で使われていますね。

私が新人の頃この言葉を説明すると・・・

「体幹が安定していることです!」

と答えていました。

何となく、体幹が強くて安定している状態をイメージしていました。

 

もちろんこれでは駄目です。

臨床場面では、この言葉をきちんと理解する必要があります。

なぜなら、何となく体幹を鍛えても動作やパフォーマンスの改善には至らないからです。

コアスタビリティーを構成する要素、システムを理解することで、日々の治療場面で何を行えばよいのかが見えてきます。

コアスタビリティーについて理解を深めていきましょう。


コアスタビリーとは

コアスタビリティーの定義はこのように表現されています。

「体幹·肩甲骨·骨盤·大腿部の一連の活動、つまり多関節運動連鎖であり、予測的にも反射的にも効率的に動ける状態」

Kibler WB:The role of core stability in athketic function より引用

体幹が安定しているだけではなく、そこに付随する四肢の運動が連動して行えていること。
環境によって適切に出力や運動方向をコントロールできることがコアスタビリティーの条件と言えると思います。

つまり、体幹だけではなく四肢との運動連鎖や、環境からの感覚受容といった観点から治療内容を検討していく必要があるということです。

それでは、少し掘り下げてこれらの要素を考えていきましょう。

コアスタビリティーの役割

前項でコアスタビリティーについて説明しましたが、どのような役割を果たしているのか?について説明していきます。

コアスタビリティーの役割は以下のとおりです。

①予測的な姿勢制御として、事前にプログラミングされた筋活動であり、連続的な筋の
生成を予測する身体活動を手助けする。
②相互的なモーメントを作り出し、各関節が適応できるよう力や荷重の生成を制御する
こと。
③全身を介した力の生成をサポートする。

これらの役割をみて分かるように、私が昔イメージしていたような「固くて安定している」という状態ではなく、「環境に合わせて適切な運動を行えるような状態」がコアスタビリティーが良い状態と言えると思います。
(若い頃の自分が恥ずかしいですが・・・)

 

単純に筋力や固定性が強い筋肉ではなく、必要によって力を入れることも緩めることもできることが大切になってくるんですね。

コアスタビリティーに関連するシステム

続いて、コアスタビリティーを高めていく上で必要な要素を説明します。

主に3つのシステムが関連しており、それらが相互作用することで適切な運動につながっています。

以下の3つを紹介します。

①ニューラル:感覚受容器
②パッシブ:骨·靭帯·関節包など
③アクティブ:筋·腱·筋膜など

①ニューラルは感覚を適切に受け取れるかを示しています。
感覚受容器の感受性によって、環境に合わせた出力調整をし、姿勢の変化や
環境の変化に対応していくことが可能となります。

②パッシブは骨や靭帯・関節包などの組織です。
適切な伸張性や張力を保つことで、安定した関節運動や姿勢調整を担うことになります。

③アクティブは筋や腱・筋膜といった組織です。
適切に伸縮すること、走行することで、緊張や弛緩といった調整を行い、
関節運動や姿勢のコントロールを行っています。

ここで、みなさんお気づきかと思いますが、筋・腱や関節包などは感覚受容器でもあり、
感覚受容器は筋や筋膜への情報を受け取るため、それぞれが互いに作用することで
スタビリティーが形成されることになります。

例えば・・・

・筋の走行や長さは適切か?
・足底や手掌の感覚受容は適切に行えているか?
・体幹の回旋運動は行えているか?

など、細かく評価していくことでシステムの関係性を確認できます。

これらの要素を評価・治療に組み入れていくことで、コアスタビリティーに対する
アプローチが可能になると考えていきましょう。

 

コアスタビリティー低下により起こること

それでは、コアスタビリティーが低下するとどうなるのでしょうか?

安定性や運動性が失われる

神経系システムがなんとかしようと働く

安定性や運動性を高めようと過剰な努力や固定して体を動かそうとする

好ましない運動パターンや代償部への負荷が増える

痛みや運動パターンの縮小などが起き、動きが制限されてしまう
このような形で、望ましくない運動が強まってしまうということになります。
臨床でよくある
・筋緊張が高い
・筋肉や結合組織が硬い
・過剰に力を入れて動いてしまう
といった現象は、コアスタビリティー低下により結果的に起こっていることが多いのです。
よって、硬い部分に直接アプローチすることも必要ですが、根本にある安定性や運動性を
阻害している要素を改善しないと、解決しないということになります。

まとめ

今回はコアスタビリティーについて解説しました。
大きくまとめると
1,環境の変化に合わせて、予測的・効率的に動けるか
2,適切な感覚受容や筋骨格系の運動性の確保がなされているか
3,代償による誤学習がなされていないか
といった部分を確認していくと良いかと思います。
ひとくくりにこれがコアスタビリティーだ!
といった表現は難しいですが、体幹が安定しているといったアバウトな表現ではないことが
理解いただけたかと思います。
臨床場面でも、末梢の感覚入力や、中枢の運動性などを評価しながらすすめていくと
治療の幅も広がってくることでしょう。
明日からの臨床に活かして頑張っていきましょう。

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