こんにちは。フィジ男子です。
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肩の痛みについて

私自身500名以上の肩の治療を行ってきました。
今回はその中から得た経験をもとに話をすすめていきます。
肩の痛みも様々ですが、ここでは加齢や生活習慣からくる慢性的な痛みについて述べていきます。
急性期の外傷や手術後の痛みはここで述べる内容と異なってくるため、注意してください。
この記事で学べること
1,痛みの原因は患部ではない
2,筋膜のつながりで治療をすすめるという考え方
3,個別症状への対応方法
4,明日からの臨床が変わる方法
・患部に原因はない
これまで500人を超える患者様の肩の治療を行ってきましたが、その中で感じたこと。それは、肩の痛みは患部を触るなということです。これを聞いて「は?」「いやいや、それじゃ肩挙がんないじゃん」と思う方もいるでしょう。ベテランの先生方は「当たり前でしょ」と思っているかもしれません。そうです、肩の治療は痛みの場所や制限のある場所より離れた場所の治療が重要なのです。(文章がわかりづらくてごめんなさい)
例えば、挙上すると三角筋の外側に痛みが出るとします。
その際に、三角筋のマッサージやストレッチ、湿布や注射を行うことで一時的な症状緩和はあるかもしれません。
しかし、その方のADLは改善するでしょうか?
答えは・・NOです。
私自身も硬い部分に対して、一生懸命揉んだり伸ばしたりして治療をしてきました。
その結果・・・
肩をほぐす→楽になる→帰ったらやっぱり痛い→また通う
このループを繰り返し、気づけば楽になるために通ってくる方が増えてしまい、「生活で痛みが出ないので卒業ですね」なんて会話はなくなっていました。
多くの療法士はこの状況、非常に苦痛ですよね。
そもそも、患者さんはなぜ病院に来院したのかを考える必要があります。
はじめは「なんか肩が重たいよな」から始まり、徐々に「あれこれしても痛い」となりその状況を改善したくて、意を決して病院に来るわけです。
つまり、痛みのない生活を送ることが目的なんですね。
それが段々と完全には治らないんだといった理解に変わり、通う理由も変化していってしまう。
このループを断ち切る必要があるわけです。
・筋膜を考えてみる
答えは、上記で述べたとおり患部以外の介入をすすめることです。
治療をすすめる上で、まずはなぜ痛みが起こるのかを考えてみましょう。
慢性痛の多くは、長年の生活習慣や加齢による退行性変化が原因と言われています。
例えば、肩関節前面の痛みであれば烏口上腕靭帯や上腕二頭筋腱の変性。
外側の痛みであれば、腋窩神経の絞扼による痛みなどです。
これらの多くは、関連する筋骨格系の不良アライメントによって結果的に起こっています。
突然その箇所が変性を起こすのではなく、周囲の環境に巻き込まれて被害を受けているわけです。
ここで必要になってくるのが、筋膜のつながりによる影響です。
※筋膜について
筋膜とは筋肉の表面を包んでいる膜で、表層のみならず、深層にまで存在しウェットスーツのように体全体を包んでいます。さらに筋膜以外の靭帯、腱、支帯、腱膜などを総合した結合組織をfascia(ファシア)と呼んでいる。
筋膜は層によって、浅筋膜、深筋膜に、またはその機能と解剖学的位置によって、内臓筋膜(臓側筋膜)頭頂筋膜(壁側筋膜)などに分類される。
筋膜はコラーゲンを主成分としている点で靭帯や腱に類似しているが、所在と機能が異なる。靭帯は骨と骨を結合し、腱は筋肉と骨を結合し、筋膜は筋肉やその他の組織を包む。
主に機械的にきわめて強靭なI型コラーゲン繊維からなる密性結合組織で膠原繊維束が種々の方向に交織するように走る。繊維間には少数の繊維(芽)細胞が存在する。
筋肉を包む筋膜にシワができたり固まったりすると、凝り(肩こりなど)の症状を引き起こすことがある。

例えば、筋膜は全身をスーツのように包んでいるため、一部の筋膜が固くなったり縮んだり(硬結といいます)すると、つながりのある部分を引っ張ることになります。
そこが神経や筋を絞扼すると痛みが出現します。
つまり、痛みは別部位の硬結により引き起こされるということです。
上記の例で考えてみましょう。
上腕二頭筋腱の変性があるとします。
上腕二頭筋腱はアームラインという形で腕撓骨筋や拇指球とつながっています。
デスクワークやマッサージなど手を多用するような生活を続けていると、上記部位の硬結が起こりやすいと考えられますよね。
この場合、肩の痛みが出ている原因は前腕や手部にあることが想像でき、実際に上記部位の介入により痛みが消失した例は多数います。
このように、慢性的な症例では痛みの部位と関連する部位の治療が非常に効果的な場合が多いのです。
治療方法
(挙上時痛)
肩の運動時の痛みでは肩甲胸郭関節に原因があることが非常に多いです。
加齢や長期間に渡り徐々に悪化した痛みについては特にここの治療が有効です。
また、上腕以下の治療も有効です。
具体的には以下のポイントを見てください。
・前鋸筋と広背筋のクロスポイント

・肩甲骨下角の外側

・肩甲骨上角の上方

これらの部位をまずは徒手で圧迫しながら動作を行ってもらうと、痛みが軽減する場合があります。
痛みが軽減するということはそこが原因部位である可能性が高いため、治療をすすめていきます。
具体的には、指の先端で組織を柔らかくほぐしてください。
強く揉むのではなく、コリを優しく剥がしてあげるイメージです。
これだけで、これまで行っていたベーシックな治療と比べて、大きな変化がみられるはずです。
特に20分や40分の中で改善しないといけないような環境では、治療介入のポイントを間違えてしまうととても寂しく悔しい結果になってしまうことに。
そうならないために、明日から実践してみてください。
肩の治療のヒント
このように、治療のポイントを述べてきましたが、当然すぐに変わるものではありません。
明日から、臨床を劇的に変化させていくためのポイントをのせたので参考にしてみてください。
1,解剖学をしっかり勉強する
当然ですが、解剖学の知識がないと触診・治療は無理です。特に筋肉や筋膜は表面から走行や太さ、深さをイメージすることが重要です。
私もこの勉強が苦手で、昔は本を広げて同僚の体を触りながら練習していました。
現在では、アプリで簡単に筋肉のつながりや位置を学習できます。
また、ネット上での勉強も簡単になっています。
勉強することが非常に簡単になっているのです。
スマホゲームや週刊雑誌に当ててる時間をここに割くだけで、十分な勉強ができる時代です。
明日から取り組んでみましょう。
2,最初の入りを変えてみる
最初の入り。
つまり、患者さんに対するルーティン化した介入を変化させてみるということです。
治療開始とともに、世間話をしながら寝てもらっていませんか?
治療後の効果判定に必要な情報はとっていますか?
20分の介入の中でも、効果を実感してもらうためには変化を感じてもらうことです。
最初に行った動作と、治療後の動作を比べるだけでもその治療の効果がわかります。
動作をみるのは10〜20秒で出来るので、是非やってみてください。
また、治療のポジションも変えてみましょう。
3,寝かさないで過ごしてみる
治療において、まずベッドに寝ることが患者さんのルーティンになってないでしょうか?
臥位での治療は必要ですが、ゴールは抗重力姿勢での上肢操作のはずです。
思い切って座位姿勢のみで介入をすすめてみると、今までになかった発見があるかもしれません。
長く通っている方には特にやってみることをおすすめします。
以上、肩の治療について述べてきましたが、治療方法はいくつもあります。
具体的には、他の記事で詳細を述べていきますが、まずは既存の方法や考え方を変えてみる勇気を持ってみてください。
一人でも多くの療法士が悩みを解決できるよう願っています。


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